雇用保険とは?失業手当の条件と金額を簡単に整理

退職したら「失業手当もらえる?」と気になる雇用保険。加入条件・受給条件・金額・期間をまとめます。

雇用保険とは?失業手当の条件と金額を簡単に整理のイメージ画像
Photo by Sora Shimazaki on Pexels
この記事の目次 11
  1. 雇用保険の正体
  2. 誰が加入しているか
  3. 失業手当(基本手当)の条件
  4. 自己都合と会社都合の違い
  5. 失業手当の金額
  6. 給付期間
  7. 申請の流れ
  8. 育児休業給付金
  9. 教育訓練給付金
  10. よくある誤解
  11. まとめ

会社員なら給与明細に「雇用保険」と引かれています。

でも、

「これって何のための保険?」「辞めたら絶対もらえる?」「いつから・いくらもらえる?」

を、退職を考えたときに困らないよう整理します。

雇用保険は、「失業や育児・介護で働けなくなった時に給付を出す国の保険」です。
最大の柱は 失業手当(基本手当)。退職して仕事を探している間、給与の50〜80%が最大330日まで支給されます。
給与から自動で天引きされ、加入していれば 原則1人1回ずつ もらえる権利が積み立てられていきます。

雇用保険の正体

雇用保険は、「働けなくなったときの生活を守る国の保険制度」 です。

カバーする内容:

  1. 失業手当(基本手当):失業中の生活費補助
  2. 育児休業給付金:育休中の給与代替
  3. 介護休業給付金:家族介護で休んだとき
  4. 教育訓練給付金:資格取得・スキルアップ支援
  5. 再就職手当:早く再就職した時のボーナス

「失業手当」が一番有名ですが、実は他にもたくさんの給付があります。

誰が加入しているか

雇用保険に加入しているのは:

  • 正社員:原則全員
  • パート・アルバイト:週20時間以上かつ31日以上勤務見込み
  • 派遣社員:契約条件次第
  • 役員のみの会社経営者:加入できない
  • 個人事業主:加入できない

会社員なら気付かないうちに加入しています。給与明細の「雇用保険料」がそれです(給与の約0.6%が本人負担)。

失業手当(基本手当)の条件

退職したら誰でももらえるわけではありません:

条件 内容
加入期間 過去2年間で12ヶ月以上加入(自己都合の場合)
加入期間(会社都合) 過去1年間で6ヶ月以上
求職活動 ハローワークで求職申込み+求職活動の継続
働く意思 すぐ働ける状態であること
年齢 65歳未満(65歳以上は高年齢求職者給付金)

求職活動をしない人はもらえません。「一旦休みたい」「専業主婦になる」場合は対象外です。

自己都合と会社都合の違い

ここが大きなポイント:

自己都合退職

転職・キャリアチェンジ

  • 給付開始まで 約2ヶ月+7日 の待機
  • 給付日数 90〜150日
  • 加入期間12ヶ月以上が条件
会社都合退職

解雇・倒産・退職勧奨

  • 給付開始まで 7日のみ(早い)
  • 給付日数 最大330日
  • 加入期間6ヶ月以上で条件達成

会社都合のほうが断然有利。会社が辞めさせるために「自己都合扱いで辞めて」と言ってきたら要注意です。

失業手当の金額

ざっくりの計算式:

1日あたり = 退職前6ヶ月の平均給与日額 × 50〜80%

具体例(退職前の月給30万円の場合):

月給 日額のおおよそ 1ヶ月(30日)の手当
月給20万円 約5,300円 約16万円
月給30万円 約7,000円 約21万円
月給40万円 約8,300円 約25万円
月給50万円超 上限約8,500円 約25万円(頭打ち)

給与が低い人ほど補填率が高くなる仕組み(80%)。給与が高い人は50%まで下がります。

給付期間

加入期間と退職理由で決まります:

加入期間 自己都合 会社都合(45歳未満) 会社都合(45歳以上)
1年未満 × 90日 90日
1〜5年 90日 90日 180日
5〜10年 90日 120日 240日
10〜20年 120日 180日 270日
20年以上 150日 240日 330日

長く勤めて会社都合で辞めた人ほど手厚くなります。

申請の流れ

実際にもらうための手順:

  1. 会社から離職票をもらう(退職後1〜2週間で郵送)
  2. ハローワークで求職申込み(離職票・[マイナンバー](/article/mynumber)・本人確認書類・写真等を持参)
  3. 7日間の待機期間
  4. 雇用保険受給説明会に参加(必須)
  5. 4週間ごとに失業認定(求職活動2回の証明)
  6. 口座振込で受給

自己都合の場合は待機後さらに2ヶ月の給付制限期間あり。最初の支給まで 2.5ヶ月以上 かかります。

!

求職活動の証明が必要

「家にいた」では認定されません。ハローワークの相談、求人応募、職業訓練の見学などが活動実績として認められます。週に1〜2回はハローワークに行く前提です。

育児休業給付金

雇用保険のもう一つの主役:

  • 育休中、給与の 67%(180日以降は50%) を最大2歳まで支給
  • 男性も育休取得すれば対象
  • 父母とも育休だと 80%支給 の特例あり(産後パパ育休)
  • 申請は会社経由で行う

子育て世帯にとっては失業手当より重要な制度です。

教育訓練給付金

転職・スキルアップを支援する制度:

  • 一般教育訓練給付金:受講料の20%(上限10万円)
  • 特定一般教育訓練給付金:40%(上限20万円)
  • 専門実践教育訓練給付金:50〜70%(上限168万円)

簿記、宅建、看護師、保育士、プログラミングスクールなど、対象講座は多数。条件は雇用保険加入3年以上が目安です。

よくある誤解

誤解 実際
「退職したら自動で振り込まれる」 ハローワークで申請が必要
「失業中ずっともらえる」 給付日数の上限あり(最大330日)
「すぐ振り込まれる」 自己都合だと2.5ヶ月以上待つ
「専業主婦になっても対象」 求職活動が必要なので対象外
「不正受給はバレない」 厳しい返還+3倍罰金

まとめ

  • 雇用保険 = 失業・育児・介護などで働けない時の生活を守る国の保険
  • 失業手当は 自己都合90〜150日 / 会社都合最大330日
  • 1日あたり給与の 50〜80%(給与低いほど補填率高)
  • 申請は ハローワーク、求職活動の継続が必須
  • 育児休業給付金、教育訓練給付金など失業以外の給付も充実

国民年金健康保険介護保険と並ぶ、生活を支える社会保険の柱です。

詳しくは 厚生労働省 雇用保険制度 が一次情報源です。

この記事をシェア