後期高齢者医療制度とは?対象者と窓口負担

75歳になると切り替わる後期高齢者医療制度。窓口負担・保険料・他の保険との違いを、本人・家族目線でまとめます。

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Photo by Gustavo Fring on Pexels
この記事の目次 10
  1. 後期高齢者医療制度の正体
  2. 対象になる人
  3. 窓口負担
  4. 保険料
  5. 加入時の手続き
  6. 他の医療保険との違い
  7. 高額療養費との関係
  8. 制度への批判と課題
  9. 申請が必要な制度(覚えておくと得)
  10. まとめ

75歳になると今までの健康保険から切り替わるのが 後期高齢者医療制度。

「親が来年75歳、何が変わる?」「保険料は?」「窓口負担は1割のまま?」

を整理します。

後期高齢者医療制度とは、「75歳以上(および一定の障害がある65歳以上)の人が加入する独立した医療保険制度」です。
2008年に始まり、それまでの老人保健制度に代わるものとして導入。
窓口負担は 原則1割(一定所得以上は2〜3割)。保険料は年金から天引きが基本で、全国平均は月8,000円ほど(2026・2027年度)です。

後期高齢者医療制度の正体

後期高齢者医療制度は、「高齢者の医療費を支える独立した保険制度」 です。

〜74歳 会社の健康保険、または国民健康保険に加入している状態
75歳の誕生日 当日 それまでの保険を自動的に抜けて、後期高齢者医療制度に移る。自分で手続きする必要はない
75歳〜 保険料は一人ひとりが個別に払う。扶養に入っていた人も、ここからは自分で負担することになる

いちばん驚かれるのが、それまで家族の扶養に入っていた人も、75歳からは自分で保険料を払うという点。手続きは不要でも、家計への影響は出ます

75歳の誕生日に、保険が自動で切り替わる

特徴:

  1. 75歳の誕生日から自動加入
  2. それまでの健康保険・国民健康保険から切り替え
  3. 都道府県単位の広域連合が運営
  4. 1人1人が被保険者(扶養家族の概念なし)
  5. 保険料は年金から天引き(特別徴収)が基本

「働き世代の保険料負担」と「高齢者本人の負担」の両方で運営されています。

対象になる人

加入対象:

対象 加入時期
75歳以上の全員 75歳の誕生日から自動加入
65〜74歳で一定の障害がある人 申請により加入可能

会社員・自営業・専業主婦すべて区別なく、75歳になったら全員が加入 します。

窓口負担

医療機関での自己負担割合:

所得区分 窓口負担
一般所得(住民税課税世帯) 1割
一定以上所得 2割
現役並み所得 3割
住民税非課税世帯 1割(限度額さらに低い)

「現役並み所得」の目安は 単身で年収約383万円超、夫婦合計で約520万円超。年金生活でこの水準を超える人は限定的です。

保険料

全国平均は月7,989円(2026・2027年度の見込み)。2026年度からは子ども・子育て支援金の分(平均で月200円ほど)も加わります。所得で大きく変わります:

保険料 = 均等割(一人いくら)+ 所得割(所得 × 割合)
所得区分 年間保険料の目安
住民税非課税 約1〜2万円(軽減あり)
平均的年金受給者 約7〜10万円
現役並み所得者 上限80万円台

都道府県によって料率が違うので、地域差があります。

加入時の手続き

基本的に 手続き不要 :

  • 75歳の誕生日から自動で後期高齢者医療制度に切り替わる
  • 受診にはマイナ保険証か資格確認書を使う。2026年8月からは、85歳以上の人とマイナ保険証を使っていない人には資格確認書、マイナ保険証をふだん使っている84歳以下の人には「資格情報のお知らせ」が届く
  • 届く時期や書類は加入する広域連合(都道府県ごと)によって違うので、案内を確認する
  • 子どもの扶養に入っていた人も自動的に独立

ただし住所変更・所得変動があった場合は市役所に届出が必要です。

他の医療保険との違い

過去の制度との比較:

健康保険(74歳まで)

職業で別々

  • 会社員:健康保険
  • 自営業:国民健康保険
  • 扶養家族の概念あり
  • 窓口負担3割(70〜74歳は2割)
後期高齢者医療(75歳〜)

全員共通

  • 職業に関係なく全員が加入
  • 個人単位(扶養なし)
  • 窓口負担1割(所得高で2〜3割)
  • 保険料は年金天引き

「家族に扶養されていた人」が個人で保険料を払うようになる点が、家計上の大きな変化です。

高額療養費との関係

高額療養費制度も併用できます:

所得区分(2026年8月〜2027年7月診療分) 外来(個人ごと) 外来+入院(世帯ごと)
現役並み所得(3段階) 70歳未満の区分ア・イ・ウと同じ 同左
一般 22,000円/月(外来の年間上限216,000円) 61,500円/月
住民税非課税 11,000円/月(外来の年間上限96,000円) 25,700円/月
住民税非課税(所得が一定以下) 8,000円/月 15,700円/月

一般区分なら外来の上限は月22,000円。2026年8月の見直しで外来にも年間上限ができたので、毎月通院が続いても負担は年216,000円で止まります。高齢になっても医療費の負担が際限なく増えない仕組みです。

制度への批判と課題

正直に書きます:

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「後期高齢者」という呼称への抵抗感

「後期」という名前が「人生の終盤」を連想させるとして、当初は批判が多かった制度。また、現役世代の保険料負担が大きく、世代間対立を生む構造との指摘もあります。改革議論は今後も継続予定です。

主な課題:

  • 現役世代の保険料負担:制度の約4割が現役世代の保険料からの拠出金
  • 高齢者の窓口負担引き上げ議論:2022年に2割負担導入
  • 地域格差:都道府県で保険料・サービスに差
  • 医療費総額の増大:年間約18兆円規模

申請が必要な制度(覚えておくと得)

知っていると損しないもの:

  • 限度額適用認定証:高額療養費の窓口負担軽減(マイナ保険証で受診すれば申請不要)
  • 特定疾病療養受療証:人工透析・血友病等の人は月1万円上限
  • 入院時食事療養費の減額:住民税非課税世帯
  • 葬祭費:被保険者死亡時に5万円程度(自治体により異なる)

家族や本人が忘れがちなので、市役所への問い合わせ推奨です。

まとめ

  • 後期高齢者医療制度 = 75歳以上の全員が加入する独立した医療保険
  • 2008年スタート、都道府県単位の広域連合が運営
  • 窓口負担は 原則1割(一定所得2割、現役並み3割)
  • 平均保険料は 月8,000円ほど(2026・2027年度)、年金から天引き
  • 高額療養費制度と併用で月の医療費上限が低く設定
  • 制度の現役世代負担が課題、改革議論継続

健康保険・介護保険・高額療養費制度・障害年金と並んで、超高齢社会の必須知識です。

詳しくは 厚生労働省 後期高齢者医療制度 や各都道府県の広域連合のサイトが一次情報源です。保険料は 令和8・9年度の保険料率、資格確認書の扱いは 文京区の案内 で確かめられます(2026年10月14日確認)。

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