75歳になると今までの健康保険から切り替わるのが 後期高齢者医療制度。
「親が来年75歳、何が変わる?」「保険料は?」「窓口負担は1割のまま?」
を整理します。
後期高齢者医療制度は、「75歳以上(および一定の障害がある65歳以上)の人が加入する独立した医療保険制度」です。
2008年に始まり、それまでの老人保健制度に代わるものとして導入。
窓口負担は 原則1割(一定所得以上は2〜3割)。保険料は年金から天引きが基本で、平均月7,000円程度です。
後期高齢者医療制度の正体
後期高齢者医療制度は、「高齢者の医療費を支える独立した保険制度」 です。
特徴:
- 75歳の誕生日から自動加入
- それまでの[健康保険](/article/kenkou-hoken)・国民健康保険から切り替え
- 都道府県単位の広域連合が運営
- 1人1人が被保険者(扶養家族の概念なし)
- 保険料は年金から天引き(特別徴収)が基本
「働き世代の保険料負担」と「高齢者本人の負担」の両方で運営されています。
対象になる人
加入対象:
| 対象 | 加入時期 |
|---|---|
| 75歳以上の全員 | 75歳の誕生日から自動加入 |
| 65〜74歳で一定の障害がある人 | 申請により加入可能 |
会社員・自営業・専業主婦すべて区別なく、75歳になったら全員が加入 します。
窓口負担
医療機関での自己負担割合:
| 所得区分 | 窓口負担 |
|---|---|
| 一般所得(住民税課税世帯) | 1割 |
| 一定以上所得 | 2割 |
| 現役並み所得 | 3割 |
| 住民税非課税世帯 | 1割(限度額さらに低い) |
「現役並み所得」の目安は 単身で年収約383万円超、夫婦合計で約520万円超。年金生活でこの水準を超える人は限定的です。
保険料
平均月7,000円程度ですが、所得で大きく変動:
保険料 = 均等割(一人いくら)+ 所得割(所得 × 割合)
| 所得区分 | 年間保険料の目安 |
|---|---|
| 住民税非課税 | 約1〜2万円(軽減あり) |
| 平均的年金受給者 | 約7〜10万円 |
| 現役並み所得者 | 上限80万円台 |
都道府県によって料率が違うので、地域差があります。
加入時の手続き
基本的に 手続き不要 :
- 被保険者証が74歳の誕生日前月に郵送される
- 75歳の誕生日から有効
- 旧保険証は使えなくなる
- 子どもの扶養に入っていた人も自動的に独立
ただし住所変更・所得変動があった場合は市役所に届出が必要です。
他の医療保険との違い
過去の制度との比較:
職業で別々
- 会社員:[健康保険](/article/kenkou-hoken)
- 自営業:国民健康保険
- 扶養家族の概念あり
- 窓口負担3割(70〜74歳は2割)
全員共通
- 職業に関係なく全員が加入
- 個人単位(扶養なし)
- 窓口負担1割(所得高で2〜3割)
- 保険料は年金天引き
「家族に扶養されていた人」が個人で保険料を払うようになる点が、家計上の大きな変化です。
高額療養費との関係
高額療養費制度も併用できます:
| 所得区分 | 外来(個人)上限 | 外来+入院(世帯)上限 |
|---|---|---|
| 現役並み所得 | 区分ウと同じ | 区分ウと同じ |
| 一般 | 18,000円/月 | 57,600円/月 |
| 住民税非課税 | 8,000円/月 | 24,600円/月 |
外来18,000円が上限なので、高齢になっても医療費負担が爆発しない仕組み。これが後期高齢者医療制度の大きな安心材料です。
制度への批判と課題
正直に書きます:
「後期高齢者」という呼称への抵抗感
「後期」という名前が「人生の終盤」を連想させるとして、当初は批判が多かった制度。また、現役世代の保険料負担が大きく、世代間対立を生む構造との指摘もあります。改革議論は今後も継続予定です。
主な課題:
- 現役世代の保険料負担:制度の約4割が現役世代の保険料からの拠出金
- 高齢者の窓口負担引き上げ議論:2022年に2割負担導入
- 地域格差:都道府県で保険料・サービスに差
- 医療費総額の増大:年間約18兆円規模
申請が必要な制度(覚えておくと得)
知っていると損しないもの:
- 限度額適用認定証:高額療養費の窓口負担軽減
- 特定疾病療養受療証:人工透析・血友病等の人は月1万円上限
- 入院時食事療養費の減額:住民税非課税世帯
- 葬祭費:被保険者死亡時に5万円程度(自治体により異なる)
家族や本人が忘れがちなので、市役所への問い合わせ推奨です。
まとめ
- 後期高齢者医療制度 = 75歳以上の全員が加入する独立した医療保険
- 2008年スタート、都道府県単位の広域連合が運営
- 窓口負担は 原則1割(一定所得2割、現役並み3割)
- 平均保険料は 月7,000円程度、年金から天引き
- 高額療養費制度と併用で月の医療費上限が低く設定
- 制度の現役世代負担が課題、改革議論継続
健康保険・介護保険・高額療養費制度・障害年金と並んで、超高齢社会の必須知識です。
詳しくは 厚生労働省 後期高齢者医療制度 や各都道府県の広域連合のサイトが一次情報源です。