障害年金とは?もらえる条件と金額

病気やけがで働けなくなった時の生活を支える障害年金。対象になる症状・金額・申請の難しさを正直に整理します。

障害年金とは?もらえる条件と金額のイメージ画像
Photo by Joelma Costa on Pexels
この記事の目次 11
  1. 障害年金の正体
  2. 対象になる病気・けが
  3. 障害基礎年金 vs 障害厚生年金
  4. 子の加算・配偶者加給
  5. 受給の3条件
  6. 申請の流れ
  7. 申請の難しさ(正直に)
  8. 受給者数の実態
  9. 障害者手帳との違い
  10. 受給中の注意点
  11. まとめ

「障害年金」と聞くと「重度の身体障害の人だけがもらうもの」というイメージを持つ人が多いです。

でも、

「うつ病でもらえる?」「がんは?」「いくらもらえる?」「自分で申請するの?」

を、実態に即して整理します。意外と多くの人が対象になる、生活を支える重要な制度です。

障害年金とは、「病気やけがで日常生活・労働に著しい支障がある時に支給される国の年金」です。
身体障害だけでなく、うつ病・統合失調症・がん・難病・人工透析なども対象。
国民年金加入者は障害基礎年金(月約7万円)、厚生年金加入者はそれに障害厚生年金が上乗せされ 月15〜20万円 もらえる場合もあります。

障害年金の正体

障害年金は、「働ける・働けないにかかわらず、日常生活に支障がある人を支える年金」 です。

障害厚生年金(2階) 初診日に会社員・公務員だった場合のみ。1〜3級まであり、基礎年金より軽い状態でも対象になる
障害基礎年金(1階) 国民年金から。1級・2級のみ。自営業・学生・無職でも対象

分かれ目は「初診日にどの年金に入っていたか」。会社員のときに初めて受診したかどうかで、受け取れる範囲が3級まで広がります。だから初診日の証明が申請の最大の山場になります

障害年金も2階建て。初診日の立場で対象範囲が変わる

ポイント:

  1. 初診日が「年金に入っていた期間」などにある人が対象(20歳前の病気・けがや、60〜65歳未満で国内に住んでいた期間も含む)
  2. 診断書ベースで等級判定(1級・2級・3級)
  3. 働きながらもらえることも多い(ただし20歳前の傷病による障害基礎年金には所得制限がある)
  4. 同時に健康保険も使える
  5. 有期認定が多い(1〜5年で再審査)

「歳をとってもらう年金」とは別物。現役世代のセーフティネット です。

対象になる病気・けが

意外と幅広い:

身体・感覚

代表的な対象

  • 視覚障害・聴覚障害
  • 肢体不自由
  • 呼吸器疾患・心疾患
  • 人工透析(じん臓機能)
  • がん(治療継続が必要な場合)
精神・内部

見えない障害も対象

  • うつ病・統合失調症
  • 双極性障害・発達障害
  • 知的障害
  • 難病(指定難病、線維筋痛症等)
  • 糖尿病合併症

特に 精神疾患 は障害年金の受給者の半数近くを占めますが、診断書の書き方ひとつで結果が変わる難しい領域です。

障害基礎年金 vs 障害厚生年金

加入していた年金で受給額が大きく変わります:

区分 対象者 金額
障害基礎年金1級 初診日に国民年金加入など 年1,059,125円+子の加算(2級の1.25倍)
障害基礎年金2級 同上 年847,300円+子の加算
障害厚生年金1・2級 初診日に厚生年金加入 **障害基礎年金(1級・2級)+**給与と加入期間に応じた障害厚生年金
障害厚生年金3級 初診日に厚生年金加入 障害厚生年金だけ(障害基礎年金は出ない)。最低保障は年635,500円

金額は2026年度、昭和31年4月2日以後生まれの人の場合です。毎年度見直されます。

会社員(厚生年金加入)と自営業(国民年金のみ)で受給額が大きく変わる のがポイント。会社員の方が手厚い保障になっています。ただし3級は厚生年金だけの等級で、障害基礎年金の上乗せはありません。

子の加算・配偶者加給

家族がいる場合の追加分:

加算 金額
子(18歳の年度末まで。障害のある子は20歳未満)※障害基礎年金に加算 1人目・2人目 各年243,800円、3人目以降 各年81,300円(2026年度)
配偶者 ※障害厚生年金1・2級に加算 年24万円前後(年度で変わる)

受給の3条件

すべて満たす必要があります:

  1. 初診日要件:その病気で初めて医師にかかった日(初診日)が、国民年金・厚生年金に入っている間であること。20歳前や、60〜65歳未満で日本に住んでいた期間(年金に入っていなくてもよい)も対象
  2. 保険料納付要件:初診日の前々月までに納付期間が2/3以上、または直近1年に未納なし
  3. 障害認定日要件:初診日から1年6ヶ月後(または症状固定日)に、政令で定める障害等級に該当すること

初診日が一番重要。「最初に受診した医療機関のカルテ」がないと請求できないことが多く、ここで詰まる人が大勢います。

申請の流れ

書類地獄です:

  1. 初診日を確定(受診状況等証明書)
  2. 診断書を医師に依頼(精神疾患なら専用書式)
  3. 病歴・就労状況等申立書を自分で記入(最大の関門)
  4. 年金事務所 or 市区町村で提出
  5. 審査(3〜4ヶ月)
  6. 支給開始 or 不支給通知

申請から決定まで 3〜4ヶ月、書類準備に 数ヶ月かかるので、トータル半年〜1年は見ておく必要があります。

申請の難しさ(正直に)

正直、この制度は 申請が異様に難しい:

!

同じ症状でも結果が違うことがある

診断書の内容や病歴・就労状況等申立書の書き方で、等級の判断が変わることがあります。日常生活で困っていることが医師に伝わっていないと、実際より軽く書かれることも。年金事務所の相談窓口を使うか、書類づくりが不安なら社労士(障害年金を扱う人)に相談するのも一つの方法です。

不支給だった場合は 審査請求 → 再審査請求 → 裁判 で争えます。審査請求には期限(決定を知った日の翌日から3か月以内)があるので、届いた通知はすぐ確認してください。

受給者数の実態

意外と多くの人が受給しています:

指標 数値
受給者総数(2023年度末) 約226万人
精神疾患が原因 約50%
障害基礎年金のみ 約57%
平均受給額 月約9万円

「珍しい制度」ではなく身近な制度。知らずに使っていない人も多いのが現状です。

障害者手帳との違い

混同されがちですが別物:

障害年金

国の年金

  • 現金支給
  • 日本年金機構が判定
  • 等級は1〜3級
  • 有期認定で再審査
障害者手帳

福祉サービス利用証

  • 各種割引・サービス利用
  • 市区町村が交付
  • 等級は手帳の種類で異なる
  • 更新時期は手帳の種類で違う

両方持っている人もいれば、どちらか片方だけの人もいます。

受給中の注意点

知らないと損する:

  • 更新(有期認定):1〜5年ごとに診断書を再提出
  • 障害状態確認届:認定日が近づくと年金機構から書類が届く
  • 収入があっても多くは支給が続く。ただし更新の診断書では働き方も見られるので、等級が変わることはある。20歳前の傷病による障害基礎年金は、本人の所得が一定額を超えると半額または全額が止まる
  • 税金は非課税(所得税・住民税かからない)
  • 遡及請求:認定日から最大5年分まで遡って請求可能

まとめ

  • 障害年金 = 病気・けがで日常生活や労働に支障がある人を支える国の年金
  • うつ・統合失調症・がん・人工透析など 幅広い疾患が対象
  • 障害基礎年金2級は年847,300円(2026年度)。厚生年金の人は1・2級なら障害厚生年金が上乗せ、3級は障害厚生年金だけ
  • 受給には 初診日・納付要件・障害等級 の3条件が必須
  • 申請が異様に難しい ので、社労士など専門家への相談が現実的
  • 障害者手帳とは別物(両方持つこともある)

国民年金・健康保険・高額療養費制度と並んで、現役世代を守る重要な制度です。

受給の条件は 日本年金機構 障害基礎年金の受給要件、20歳前の傷病の所得制限は 日本年金機構 20歳前傷病による障害基礎年金、金額は 日本年金機構の資料(令和8年度) が一次情報です(2026年10月14日確認)。

この記事をシェア