累進課税とは?仕組み

「稼ぐほど税率が高い」累進課税。でも「年収が増えたら手取りが減る」は誤解。なぜそうならないのか、税率の本当の仕組みと「壁」の話までやさしく整理します。

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この記事の目次 7
  1. なぜ累進課税があるのか
  2. 一番の誤解:「税率が上がると手取りが減る」
  3. 所得税の税率(7段階)
  4. 「累進」じゃない税金もある
  5. 会社員はどう納めている?
  6. よくある誤解
  7. まとめ

「日本は累進課税だから、稼ぐほど取られる」。なんとなく知っているけど、「年収が上がったら税率が上がって、かえって手取りが減るのでは?」という不安を持つ人は多い。

実はそれは誤解です。仕組みを正しく整理します。

累進課税とは、所得が多い人ほど高い税率をかける課税の仕組みのこと。
日本の所得税は 5%〜45%の7段階で、稼ぎが増えるほど段階的に税率が上がる。
ポイントは 「上がった税率は、増えた分だけにかかる」こと。だから「年収が増えた瞬間に手取りが逆に減る」ことは起きません。ここが一番の誤解ポイントです。

なぜ累進課税があるのか

理由は「所得の再分配」と「負担能力に応じた公平」です。

  • たくさん稼ぐ人ほど、生活に余裕があるぶん多く負担できる
  • 集めた税金を、社会保障などで広く配り直す
  • 「全員一律10%」より、格差をやわらげる効果がある

「お金持ちから多めに取って、社会全体で支え合う」という考え方が根っこにあります。

一番の誤解:「税率が上がると手取りが減る」

ここが本当に大事なところ。増えた所得の"全部"に高い税率がかかるわけではありません

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税率は「超えた分だけ」に適用される

たとえば「195万円を超えると税率10%」でも、年収が196万円になった人の所得全部に10%がかかるのではありません。195万円までは5%、超えた1万円分だけに10%がかかる。これを「超過累進課税」といいます。だから「年収が上がった途端に手取りが減る」ことは起きない。増えた分の一部が多めに取られるだけで、トータルの手取りは必ず増えます。

「昇給したら税率の段が上がって損する」というのは、この仕組みを知らないことから来る代表的な勘違いです。

所得税の税率(7段階)

日本の所得税の速算は、ざっくりこうなっています。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超〜330万円 10%
330万円超〜695万円 20%
695万円超〜900万円 23%
900万円超〜1,800万円 33%
1,800万円超〜4,000万円 40%
4,000万円超 45%

ここでの「所得金額」は、年収そのものではなく、年収から控除を引いた後の金額です。各段階の税率は「その段階に入った金額分」だけにかかります。

「累進」じゃない税金もある

すべての税金が累進ではありません。対になる考え方が「比例課税」です。

累進課税

稼ぐほど高率

  • 所得税・相続税・贈与税
  • 所得が多いほど税率アップ
  • 格差をやわらげる狙い
比例課税(一律)

誰でも同率

  • [消費税](/article/shouhi-zei)(一律10%)
  • 所得に関係なく同じ率
  • 低所得者ほど負担感が重い

消費税は誰が買っても同じ10%なので、低所得の人ほど収入に占める負担が重くなる(逆進性)と言われます。累進課税と比例課税を組み合わせて、全体のバランスを取っているわけです。

会社員はどう納めている?

累進課税の所得税は、会社員の場合、毎月の給料から源泉徴収で天引きされ、年末に年末調整で精算されます。だから多くの人は「自分で税率を計算して納める」感覚がないまま、累進課税を払っています。

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「103万円の壁」とは別の話

パートでよく聞く「103万円の壁」は、累進課税の段階とは別物。これは「配偶者の扶養から外れる」「本人に所得税がかかり始める」といった控除のラインの話です。累進課税(税率の段階)と、扶養の壁(控除の境目)は混同されがちなので、分けて理解するのがコツです。

よくある誤解

  • 「年収が上がると税率が上がって手取りが減る」→ ✕。上がった税率は超えた分だけ。手取りは必ず増える
  • 「税率は年収全体にかかる」→ ✕。各段階の金額にそれぞれの税率がかかる(超過累進)
  • 「全部の税金が累進」→ ✕消費税など一律(比例)の税金もある

まとめ

  • 累進課税 = 所得が多い人ほど高い税率をかける仕組み(日本の所得税は5〜45%の7段階)
  • 目的は所得の再分配と、負担能力に応じた公平
  • 上がった税率は「超えた分」だけにかかる(超過累進)。年収が増えて手取りが減ることはない
  • 税率は年収ではなく控除を引いた後の所得にかかる
  • 消費税のような一律(比例)課税とは対の考え方
  • 会社員は源泉徴収年末調整で自動的に納めている

源泉徴収控除確定申告とあわせて読むと、所得税の全体像がつかめます。

税率の詳細は 国税庁 所得税の税率 が一次情報です。

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