固定資産税とは?計算方法と軽減措置

マイホーム所有者に毎年届く固定資産税。評価額×1.4%の計算式、小規模住宅用地1/6・新築3年半額などの軽減措置、支払い方法、滞納時のリスクまで整理します。

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この記事の目次 20
  1. 固定資産税の正体
  2. 計算方法
  3. 軽減措置(重要)
  4. 住宅用地の特例(土地)
  5. 新築住宅の特例(家屋)
  6. 都市計画税の軽減
  7. 具体的な負担額シミュレーション
  8. 家屋の評価額は、なぜ思ったほど下がらないのか
  9. 支払い方法
  10. 滞納のリスク
  11. 固定資産税が高すぎる時の対応
  12. 軽減措置を、実際の数字で追う
  13. いつ、どうやって払うのか
  14. 都市計画税との違い
  15. 払えないときにやること
  16. 相続した実家をどうするか
  17. よくある誤解
  18. 評価額に納得できないときは
  19. 家を買う前に、税額を見積もっておく
  20. まとめ

マイホームを買うと毎年4〜6月頃に届く「固定資産税の納税通知書」。

でも、

「いくら払う?」「なぜこんなに高い?」「軽減できる方法はある?」

を、マイホーム所有者なら必ず押さえておきたい内容として整理します。

固定資産税とは、「土地・家屋・償却資産を持つ人が市区町村に毎年払う税金」です。
税額は 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)。3,000万円の評価額なら年42万円が基本。
新築住宅・小規模住宅地には大きな 軽減措置があり、実際の負担は数万〜十数万円程度に下がるのが普通です。

固定資産税の正体

固定資産税は、「不動産・償却資産の所有に対して市区町村が課す税金」 です。

対象:

  1. 土地:宅地、田畑、山林等
  2. 家屋:自宅、賃貸住宅、店舗等
  3. 償却資産:事業用の機械・設備(個人住宅には関係なし)

毎年1月1日時点の所有者に課税されます。「1月2日に売っても、その年の固定資産税は元の所有者が払う」のがルール。

計算方法

基本式:

固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 0.3%(市街化区域のみ)

**標準税率は1.4%**ですが、市区町村により1.5%や1.6%もあります。

「固定資産税評価額」は、市区町村が 3年に1度(評価替え) 決める価格です。土地(宅地)は公示価格の 70%程度 が目安。建物は「今建て直したらいくらか」から古くなった分を引いて決まり、買った値段よりかなり低くなるのが普通です。

物件 市場価格 評価額(目安) 年税額(1.4%)
一戸建て3,000万円 3,000万円 約2,100万円 29万円
マンション4,000万円 4,000万円 約2,800万円 39万円
戸建て5,000万円 5,000万円 約3,500万円 49万円

※表と下の図は、わかりやすくするために全体をざっくり7割で計算した例です。実際の評価額は土地と建物で別々に決まります。

ここから 軽減措置 が適用されます。

市場価格3,000万円
×70%
固定資産税評価額2,100万円
×1.4%
年間の固定資産税29万円

ここでの一番の勘違いが、「買った値段」にそのまま1.4%が掛かると思うこと。実際は買った値段より低い評価額が基準。さらにこの後、軽減措置で下がる

3,000万円の一戸建てで固定資産税が決まるまで

軽減措置(重要)

家を持つ人は必ず押さえておくべき軽減:

住宅用地の特例(土地)

居住用の土地は大幅に減額:

面積区分 減額率
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 評価額の1/6に
一般住宅用地(200㎡超の部分) 評価額の1/3に

200㎡(約60坪)までは固定資産税が 1/6 に圧縮。普通の戸建て敷地なら全部この対象です。

新築住宅の特例(家屋)

新築から一定期間、税額が半額:

住宅の種類 期間 床面積上限
一般新築住宅 3年間 120㎡まで半額
認定長期優良住宅 5年間 120㎡まで半額
新築マンション(3階以上耐火) 5年間 120㎡まで半額
認定長期優良マンション 7年間 120㎡まで半額

新築直後の数年間は固定資産税が半額になる、というイメージです。

都市計画税の軽減

面積区分 減額率
小規模住宅用地(200㎡以下) 評価額の1/3に
一般住宅用地(200㎡超) 評価額の2/3に

具体的な負担額シミュレーション

新築一戸建て(土地150㎡・建物100㎡・評価額土地1,200万円/建物1,000万円)の例:

区分 計算 税額
土地(小規模住宅用地 1/6) 1,200万円 × 1/6 × 1.4% 28,000円
建物(新築3年間半額) 1,000万円 × 1.4% × 1/2 70,000円
都市計画税(土地 1/3) 1,200万円 × 1/3 × 0.3% 12,000円
都市計画税(建物) 1,000万円 × 0.3% 30,000円
合計(新築3年以内) 140,000円

新築3年経過後は建物の軽減が外れて約7万円増、年21万円程度 になります。

家屋の評価額は、なぜ思ったほど下がらないのか

「築30年の家なのに、まだ税金がかかる」という疑問はよく聞きます。理由は評価の仕組みにあります。

家屋の評価額は、「いま同じ建物を新築したらいくらか」(再建築価格)に、古さによる減額(経年減点補正率)を掛けて計算されます。

いま建て直すといくらか再建築価格
×
古さによる減額経年減点補正率
=
家屋の評価額課税の基準

ここに下限が設けられているのがポイント。木造住宅ならおおむね20%前後で下げ止まり、それ以上は下がりません

家屋の評価は下限があるため、ゼロにはならない

つまり、築何十年たっても評価額はゼロにならない。「もう価値がないのに課税されている」と感じるのは、この下限があるからです。

もうひとつの理由が 再建築価格が物価とともに上がること。建築資材や人件費が上がると、評価替えのときに「いま建て直すといくらか」の部分が上がります。古くなった分の減額と、物価上昇による増額が相殺されて、評価額がほとんど下がらない——近年はこの現象が実際に起きています。

支払い方法

毎年4〜6月頃に納税通知書が届きます:

  1. 一括払い(年1回にまとめて払う。昔は「前納報奨金」で少し戻る市町村が多かったが、今は廃止したところが多い)
  2. 4期分割払い(6月・9月・12月・2月など、自治体で異なる)
  3. 口座振替(自動引落、おすすめ)
  4. クレジットカード払い(手数料あり、ポイントが付く場合は実質お得)
  5. コンビニ払い(30万円まで)
  6. スマホ決済(PayPay・d払い・au PAY等、対応自治体のみ)

クレジットカード払いは ポイント還元 が手数料を上回るケースがあるので検討の価値ありです。

滞納のリスク

支払いを忘れると重い:

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滞納すると延滞金+差押え

納期限を過ぎると延滞金が発生し、1か月を過ぎると年9.1%(2026年の場合)に上がります。数ヶ月続けば差押え予告 → 給与・口座・最終的には家そのものの差押えに発展します。引越し時の届出忘れで通知書が届かず滞納するケースが多いので注意です。

固定資産税が高すぎる時の対応

「明らかに高い」と感じたら:

  • 市区町村の税務課に相談 — 評価方法の説明を求められる
  • 固定資産課税台帳の閲覧 — 自分の物件の評価額の根拠を確認
  • 審査の申出 — 評価額に不服がある場合、3ヶ月以内に固定資産評価審査委員会へ
  • 専門家に依頼 — 不動産鑑定士・税理士に試算してもらう

中古住宅で「家屋の評価額が市場価格より高い」というケースが時々あり、減額に成功する事例もあります。

軽減措置を、実際の数字で追う

固定資産税が「思ったより安い」のは、軽減措置が効いているからです。住宅用地の特例が最大のもので、これを知らないと計算が合いません。

区分 面積 課税標準の軽減
小規模住宅用地 200平方メートルまで 6分の1になる
一般住宅用地 200平方メートルを超える部分 3分の1になる

つまり、土地の評価額が1,800万円でも、住宅が建っていれば課税されるのは300万円分(6分の1)ということ。効き方が非常に大きい特例です。

評価額1,800万円の土地(200平方メートル以内)

更地のまま 年 約17.6万円
1,800万円 × 70%(上限)× 1.4%
住宅が建っている 年 約4.2万円
1,800万円 ÷ 6 × 1.4%

約4倍の差。課税標準の軽減は6分の1ですが、更地の課税標準は評価額の70%までに抑える調整があるため、税額の差は4倍ほどになります。空き家を壊して更地にすると税金が跳ね上がるのは、この特例が外れるからです

住宅用地の特例。建物があるかどうかで税額が約4倍変わる

建物側にも軽減があります。新築住宅は当初3年間(マンションなど中高層耐火建築物は5年間)、床面積120平方メートルまでの部分の税額が2分の1になります。**「4年目から急に上がった」**という声が多いのは、この期間が終わるためです。

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空き家を放置すると、特例が外される

2015年施行の空家等対策特別措置法により、倒壊の危険がある空き家などが「特定空家」に指定されると、住宅用地の特例が適用されなくなります。つまり建物が建っているのに税額が最大4倍ほどになる。2023年の改正では、その手前の「管理不全空家」でも特例が外せるようになりました。「壊すと高くなるから放置する」という選択が、以前ほど有効ではなくなっています。

いつ、どうやって払うのか

意外と知られていない実務面をまとめます。

  1. その年の1月1日時点の所有者に、1年分が課税される。年の途中で売っても、納税義務者は1月1日の持ち主
  2. 4〜6月ごろに納税通知書が届く。市区町村によって時期が違う
  3. 年4回の分割が基本。一括払いも選べる(自治体によっては割引なし)
  4. 支払い方法は口座振替・コンビニ・スマホ決済・クレジットカードなど。ポイントが付く方法を選ぶ人も多い
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売買のときは日割りで精算するのが慣行

法律上の納税義務者は1月1日の所有者ですが、実務では引き渡し日を境に日割りで買主が負担するのが一般的です。ただしこれは法律ではなく当事者間の取り決め。売買契約書に書かれていなければ、売主が全額負担することになります。中古住宅を買うときは、契約書のこの条項を確認してください。

都市計画税との違い

両者は混同されがちですが別物:

固定資産税

全国共通

  • 標準税率 1.4%
  • 全国の土地・家屋が対象(少額なら免税)
  • 市区町村の一般財源に
都市計画税

市街化区域のみ

  • 税率は上限0.3%(市町村が決める)
  • 市街化区域内の不動産のみ
  • 道路・公園など都市整備に

通知書には両方合算された金額が記載されています。

払えないときにやること

固定資産税は滞納すると延滞金が年9%台まで上がる(2026年)こともあり、放置がいちばん高くつきます。手段はあります。

  1. 納付期限の前に市区町村へ相談する。これが最重要。滞納してからでは選べる手が減ります
  2. 徴収猶予。災害・病気・事業の廃止など事情があれば、原則1年以内で納付を待ってもらえる制度があります
  3. 分割納付の相談。年4回の納期をさらに細かく分けてもらえることがあります
  4. 換価の猶予。差押えを一時的に止めてもらう制度
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滞納したまま放置すると、こうなる

督促状 → 催告 → 財産の差押え(給与・預金・不動産)→ 公売、という順に進みます。税金の差押えに裁判は不要で、役所の判断で実行できます。住宅ローンと違って交渉の余地が小さいので、「払えないかもしれない」と思った時点で窓口に行く——これが唯一の正解です。

相続した実家をどうするか

固定資産税でいちばん相談が多いのが、住んでいない実家を相続したケースです。選択肢を整理します。

選択肢 税金への影響 注意点
そのまま持つ 住宅用地の特例は続く(管理していれば) 管理不全と判断されると特例が外れる
解体して更地に 税額が最大4倍ほどに 解体費用も100万〜200万円かかる
売る 翌年から課税されない 空き家の3,000万円特別控除が使える場合がある
貸す 特例は続き、収入も入る 賃貸に出すための修繕費が必要
相続放棄 最初から相続人にならない 他の財産も一切受け取れない
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相続登記は2024年から義務化された

相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。過去に相続した分もさかのぼって対象なので、「祖父名義のまま」という土地がある場合は要注意。詳しくは相続放棄や司法書士の記事も参考にしてください。

よくある誤解

  • 「買った値段に1.4%かかる」→ ✕。基準になるのは固定資産税評価額で、土地なら公示価格のおおむね7割、建物は建築費よりかなり低めに出ます
  • 「毎年同じ額」→ ✕。3年に1度の評価替えで見直されます。建物は古くなるほど下がり、土地は周辺の相場で上下します
  • 「家を壊せば安くなる」→ ✕。むしろ上がります。住宅が建っている土地は税額が大幅に軽くなる特例があるため、更地にすると軽減が外れて数倍になることがあります
  • 「賃貸なら関係ない」→ △。直接は払いませんが、家賃に織り込まれています。大家が負担している税金の原資は家賃です
  • 「払えなければ待ってもらえる」→ ✕。滞納すると延滞金がつき、最終的に不動産が差し押さえられます。払えない見込みなら、放置せず先に市区町村へ相談を

評価額に納得できないときは

「近所と比べて高すぎる気がする」と思ったら、確認と不服申立ての手段があります。

  1. 縦覧制度を使う。毎年4月ごろ、市区町村で近隣の土地・家屋の評価額を見比べられる期間があります(無料)
  2. 課税明細書を確認する。面積や用途が実態と違っていないか。役所の入力ミスは実際にあります
  3. 審査の申出をする。納得できなければ、納税通知を受け取った日の翌日から3か月以内に固定資産評価審査委員会へ申し出できます

期限が短いので、通知が届いたら中身を見ずにしまい込まないことが大事です。

家を買う前に、税額を見積もっておく

住宅ローンの返済額だけで予算を組むと、あとで苦しくなります。家を持つと毎年かかる固定費を並べておきます。

項目 目安(3,000万円の戸建て)
固定資産税・都市計画税 年10万〜15万円(軽減適用後)
火災保険・地震保険 年2万〜5万円
修繕積立(自主的に) 年20万〜30万円が目安(外壁・屋根・給湯器)
マンションの場合 上記に加えて管理費・修繕積立金が月2万〜3万円

つまり、ローン返済とは別に年30万〜50万円は見ておく必要があります。「家賃より月々の返済が安いから買う」という判断が危ういのは、この部分が抜けているからです。

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新築の4年目と、ローン控除が切れる14年目

家計が急に苦しくなるタイミングは、実はあらかじめ分かっています。①新築の減額が終わる4年目(固定資産税が上がる)、②住宅ローン控除が終わる14年目(還付がなくなる)。この2つは購入時点で日付が決まっているので、先に織り込んでおけば慌てずに済みます。

まとめ

  • 固定資産税 = 1月1日時点の土地・家屋所有者に市区町村が課す税金
  • 計算式は 評価額 × 1.4%(+市街化区域は都市計画税0.3%)
  • 居住用の土地は 1/6(小規模住宅用地) に減額、新築建物は3年(マンションは5年)半額
  • 一戸建て新築なら年14万円程度、3年経過後は20〜25万円が目安
  • 滞納すると延滞金+差押えのリスク
  • 中古住宅で評価額が市場価格より高い場合は 審査の申出 で減額可能

住宅ローン控除・消費税と並んで、マイホーム持ちが知っておくべき税金です。

詳しくは 総務省 固定資産税 や各市区町村の公式サイトが一次情報源です。評価のしかたは 総務省 固定資産税の概要 で確かめられます(2026年10月14日確認)。

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