自己破産とは?手続きと失うもの

借金返済が不能になった時の最終手段、自己破産。手続きの流れ・失うもの・失わないもの・他の債務整理との違いを整理します。

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Photo by Nicola Barts on Pexels
この記事の目次 10
  1. 自己破産の正体
  2. 自己破産の流れ
  3. 同時廃止と管財事件の違い
  4. 失うもの・失わないもの
  5. 免責不許可事由(要注意)
  6. 自己破産でも失わないもの(補足)
  7. 仕事への影響
  8. ブラックリスト(信用情報)の期間
  9. 他の債務整理との比較
  10. まとめ

「借金が返せない」「給料が差し押さえられた」「夜逃げを考えている」

そんな時の 法的な最終手段 が自己破産。誤解の多い制度ですが、知っておくと人生を立て直せる仕組みです。

「家族にバレる?」「家・車は取られる?」「仕事はできる?」「ローン組めなくなる?」

を、感情論抜きで整理します。

自己破産は、「返済不能になった人が裁判所を通じて借金をゼロにしてもらう手続き」です。
住宅・車・99万円超の現金など 一定以上の財産は手放す必要がありますが、生活に必要最低限の物は残せます。
給与差押えは止まり、借金はゼロに。代わりに 5〜10年は新規ローン・クレカが組めないのがデメリットです。

自己破産の正体

自己破産は、「破産法に基づく公的な借金整理手続き」 です。

ポイント:

  1. 裁判所への申立てで開始
  2. 借金が原則ゼロになる(免責)
  3. 20万円超の財産は換価して債権者に分配
  4. 「ブラックリスト」入り(信用情報5〜10年保有)
  5. 家族には基本バレない(保証人になっていなければ)

「人生終了」と思われがちですが、実際は やり直しのための制度 です。年間6〜7万人が利用しています。

自己破産の流れ

実際の手順:

  1. 弁護士・司法書士に相談(無料相談を活用)
  2. 受任通知の発送(業者からの督促が即時止まる)
  3. 必要書類を集める(給与明細、預金通帳、財産目録など)
  4. 裁判所に申立て
  5. 同時廃止 or 管財事件かの判断
  6. 債権者集会、財産処分(管財事件のみ)
  7. 免責決定(借金ゼロ確定)

申立てから免責まで 6ヶ月〜1年 程度。費用は弁護士なら 30〜50万円 が相場(分割払い可能なケース多い)。

同時廃止と管財事件の違い

区分 内容 費用・期間
同時廃止 財産がほぼない場合の簡易手続き 申立て費用約3万円、3〜6ヶ月
管財事件 一定の財産がある場合の通常手続き 予納金20〜70万円、6〜12ヶ月
少額管財 弁護士付きの軽減版 予納金20万円、6〜8ヶ月

財産がない人なら同時廃止で 数万円の負担で済む こともあります。

失うもの・失わないもの

ここが一番気になるポイント:

失うもの

処分対象

  • 持ち家・住宅ローン物件
  • 20万円超の車
  • 99万円超の現金
  • 20万円超の預貯金
  • 株式・[投資信託](/article/toushi-shintaku)・暗号資産
  • 退職金見込額の1/8(一定額超)
  • 保険の解約返戻金(20万円超)
残せるもの

自由財産

  • 99万円以下の現金
  • 生活必需品(家電、家具、衣服)
  • 20万円以下の財産(車・預金等)
  • 給料(差押えは停止される)
  • 仕事道具
  • 年金受給権
  • 3ヶ月分の生活費相当

「無一文になる」は誤解。一定額の生活基盤は守られます

免責不許可事由(要注意)

これがあると借金がゼロにならない可能性:

事由 内容
浪費・ギャンブル 競馬・パチンコ・FX・暗号資産投機等
財産隠し 預金・不動産を隠す
偏頗(へんぱ)弁済 特定の債権者だけに払う
詐欺的借入 返す気がない借入
虚偽説明 裁判所への嘘
過去7年内に免責 同じ手続きを繰り返した

ただし 「裁量免責」 という救済制度があり、反省して再生計画を示せばギャンブル等でも認められるケースは多いです。

自己破産でも失わないもの(補足)

意外と知られていない:

  • 戸籍・住民票には載らない(破産者名簿は閉鎖的)
  • 選挙権は失われない
  • 賃貸住宅は基本住み続けられる
  • 携帯電話の契約は維持可能(端末分割払いがある場合は注意)
  • 生活保護は受給可能
  • 海外旅行も可能(管財事件中は裁判所許可必要)

仕事への影響

職業制限があります:

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破産手続中の職業制限

破産手続中(数ヶ月)に限り、弁護士・税理士・公認会計士・警備員・宅建士・保険外交員・[社労士](/article/sharoushi)などの一部資格は制限されます。免責確定後は復職可能です。一般のサラリーマンは影響ありません。

会社員のリストラ理由にはなりません(自己破産を理由に解雇するのは違法)。

ブラックリスト(信用情報)の期間

自己破産後の制約:

信用情報機関 保有期間
KSC(銀行系) 約7〜10年
CIC(クレカ系) 約5年
JICC(消費者金融系) 約5年

この期間中:

  • 新規クレジットカード作成不可
  • 住宅ローン・自動車ローン不可
  • スマホ端末の分割払い不可
  • 賃貸の保証会社審査が通りにくい

期間が過ぎれば消えます。「一生ローン組めない」は誤解です。

他の債務整理との比較

借金整理は3種類:

任意整理

弁護士の交渉

  • 利息カット中心
  • 裁判所を使わない
  • 5年でブラック消える
  • 住宅ローン残せる
個人再生

5分の1まで圧縮

  • 借金を1/5〜1/10に減額
  • 住宅ローン特則で家を残せる
  • 5〜10年ブラック
  • 3年で返済

借金額が多すぎる、収入がない場合は 自己破産が現実解 になります。

まとめ

  • 自己破産 = 裁判所を通じて借金を原則ゼロにする手続き
  • 住宅・車・99万円超の現金は処分対象、生活必需品は残せる
  • 戸籍に載らず、家族にも基本バレない(保証人除く)
  • 申立てから免責まで 6ヶ月〜1年、費用は弁護士に頼んで30〜50万円程度
  • 5〜10年は新規ローン・クレカ不可、その後は復活
  • 借金整理は他に 任意整理・個人再生 という選択肢もある

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