成年後見人とは?仕組みとデメリットを簡単に解説

親が認知症になり判断力が落ちると、家族でも預金を引き出せなくなる。そこで使うのが「成年後見人」制度。仕組みとデメリットを整理します。

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Photo by Leon Aschemann on Pexels
この記事の目次 8
  1. なぜ成年後見人が必要になる?
  2. 成年後見制度の2種類
  3. 後見人は家庭裁判所が選ぶ
  4. 費用がずっとかかる
  5. 一度始めたらやめられない
  6. 後見人がやってくれること・やってくれないこと
  7. 「家族信託」という代替手段
  8. まとめ

親が認知症になって預金が引き出せなくなった、不動産売却の契約ができなくなった。

この時に出てくるのが「成年後見人」という制度。

ただ、便利そうで実はけっこう問題も多い。良し悪し含めて整理します。

成年後見人は、「判断力が落ちた人の代わりに、お金や契約を管理する人」のこと。
家庭裁判所が選任する公的な制度。
便利な反面、家族が後見人になれないことが多い月数万円の費用が発生するなどデメリットも大きい。

なぜ成年後見人が必要になる?

認知症などで判断力が落ちると、本人は法律的に「契約できない人」とみなされます。

すると、

  • 銀行の預金が引き出せない(本人の意思確認が取れないので凍結)
  • 介護施設への入居契約ができない
  • 不動産の売却ができない
  • 相続の手続きが進まない

実際に親が認知症になって初めて、「うちの親、預金引き出せない…」と気づくケースが続出しています。

成年後見制度の2種類

成年後見制度には大きく2タイプあります。

法定後見

判断力が落ちた後で申し立てる

  • 家庭裁判所が後見人を選ぶ
  • 本人の判断力に応じて3段階
  • 申立費用:1万円程度〜
  • 多くの場合、ここを使う
任意後見

元気なうちに自分で決めておく

  • 判断力があるうちに契約しておく
  • 後見人を自分で選べる
  • 公正証書で作成
  • 使う人はまだ少ない

ほとんどの人は「親が認知症になってから」気づくので、法定後見 を使うことになります。

後見人は家庭裁判所が選ぶ

ここが重要ポイント。

「家族(妻、子ども)を後見人にしたい」と希望しても、家庭裁判所が判断します。

近年は家族不和の防止や財産の使い込み防止のため、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士)が選ばれることが多い

実は 約8割が専門職 に選任されている、というのが現在の実情です。

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家族なのに見ず知らずの人に管理される

「親のお金なのに、なんで他人の弁護士に管理されないといけないの?」と感じる家族は多い。これが 制度の最大の不評ポイントです。

費用がずっとかかる

専門職後見人が選ばれると、月2〜6万円の報酬が発生し続けます。

  • 預金1,000万円程度の人 → 月2〜3万円
  • 預金が多い人 → 月5〜6万円

これは 本人が亡くなるまで ずっと払い続ける必要があります。10年生きれば、200〜600万円が後見人報酬で消える計算。

一度始めたらやめられない

後見人制度の 大きな落とし穴がここ

一度後見人が付くと、本人が亡くなるまで原則やめられません

「思ったより使い勝手悪いから、やっぱ家族でやろう」が効かない。手続きを進める前に 慎重に検討する必要があります

後見人がやってくれること・やってくれないこと

やってくれる

財産管理・法律行為

  • 預金の引き出し・支払い
  • 不動産売却契約
  • 介護施設の入居契約
  • 遺産分割協議への参加
やってくれない

身の回りの世話

  • 食事の介助
  • 身の回りの介護
  • 掃除・買い物の代行
  • 本人の医療の同意

つまり後見人は「お金と契約のことだけ」やる人。介護そのものはやってくれない。介護は別途、家族や介護施設・介護保険に頼ることになります。

「家族信託」という代替手段

最近、成年後見の代替として人気が出てるのが 家族信託

家族信託は、元気なうちに信頼できる家族に財産管理を任せる契約 を結んでおく仕組み。

項目 成年後見 家族信託
開始タイミング 判断力低下後 元気なうち
管理する人 専門職になることが多い 家族
費用 月2〜6万円継続 初期費用のみ
柔軟性 低い(裁判所監督) 高い
死後の財産処分 不可(相続別途) 信託で指定可能

ただし、家族信託は 元気なうちに準備が必要 なので、すでに認知症が進んでいると間に合わない。早めの検討が重要です。

まとめ

  • 成年後見人 = 判断力が落ちた人の代わりに、お金や契約を管理する人
  • 法定後見(後から)と任意後見(事前)の2タイプ
  • 約8割が弁護士・司法書士などの専門職に選任される
  • 月2〜6万円の報酬が亡くなるまで継続
  • 一度始めたらやめられない
  • 介護そのものはやってくれない(あくまで法律行為のみ)
  • 元気なうちなら「家族信託」という選択肢もある

介護保険相続税とセットで、高齢化社会の必須知識になりつつあります。

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