少額訴訟とは?60万円以下のトラブル解決法

「友人にお金を貸したが返ってこない」「敷金が返ってこない」60万円以下のトラブルを1日で解決する制度を整理します。

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この記事の目次 11
  1. 少額訴訟の正体
  2. 使える場面
  3. 通常訴訟との違い
  4. 申立ての流れ
  5. 費用
  6. 必要な証拠
  7. 相手が出廷しない場合
  8. 勝った後の取り立て
  9. 少額訴訟が向かないケース
  10. トラブル予防のために
  11. まとめ

「友人に貸した10万円が戻ってこない」「アパート退去時の敷金が返ってこない」「商品代金を払ってもらえない」

そんな時、60万円以下なら少額訴訟で解決できます

「弁護士なしでできる?」「いくらかかる?」「どんな流れ?」「相手にどう連絡する?」

を、一般人が使える法的手段として整理します。

少額訴訟は、「60万円以下の金銭請求に限定した、1日で結審する簡易な裁判手続き」です。
弁護士なしで誰でも自分で申立て可能、費用は数千円〜1万円程度。
言った言わない問題」を法的に決着させたい時の現実的な選択肢で、年間約8,000件が利用されています。

少額訴訟の正体

少額訴訟は、「60万円以下の金銭請求に特化した簡易な裁判手続き」 です。

特徴:

  1. 請求額60万円以下の金銭請求のみ
  2. 原則1回の審理で結審(同日中に判決)
  3. 簡易裁判所での手続き
  4. 本人申立て可能(弁護士不要)
  5. 原則控訴不可(異議申立てのみ可能)

「裁判は時間がかかる・お金がかかる・専門家が必要」のイメージを覆す制度です。

使える場面

実際の利用シーン:

トラブル 対応
個人間の貸し借り 友人・知人への貸金返還請求
敷金返還 退去時の敷金が戻らない
商品代金未払い 売掛金回収
給与未払い 元従業員が会社に請求
物損賠償 車をぶつけられた、物を壊された
ネット通販トラブル 商品が届かない、欠陥品
フリーランス報酬未払い クライアントが払わない

「金額が小さくて弁護士に頼むと割に合わない」 案件の解決手段です。

通常訴訟との違い

比較表:

少額訴訟

手軽・限定的

  • 60万円以下の金銭請求のみ
  • 1日で結審
  • 本人申立て可能
  • 同一人物が年10回まで
  • 控訴不可
通常訴訟

本格的

  • 金額制限なし、内容も自由
  • 数ヶ月〜数年
  • 弁護士が一般的
  • 回数制限なし
  • 三審制(高裁・最高裁)

「金額小さい・シンプル」なら少額、「金額大きい・複雑」なら通常、と使い分けます。

申立ての流れ

実際の手順:

  1. 証拠を集める(契約書、LINE、メール、領収書等)
  2. 相手の住所地の簡易裁判所を確認
  3. 少額訴訟用の訴状を作成(裁判所HPで雛形DL可能)
  4. 裁判所に提出+手数料納付(収入印紙)
  5. 裁判所が期日を指定し、双方に呼出状送付
  6. 期日に出廷、即日判決

申立てから期日まで 1〜2ヶ月、当日は半日程度で終わるのが一般的です。

費用

意外と安い:

請求額 印紙代
〜10万円 1,000円
〜20万円 2,000円
〜30万円 3,000円
〜40万円 4,000円
〜50万円 5,000円
〜60万円 6,000円

これに切手代(5,000円程度)と、必要なら戸籍謄本・住民票の取得費数千円。合計1〜1.5万円 で完結します。

必要な証拠

「言った言わない」だけでは勝てません:

種類
書面 契約書、借用書、覚書
メッセージ LINE、メール、SMS
録音 電話・会話の録音(無断録音でも証拠化可)
領収書・振込記録 お金のやり取り
写真・動画 物損の証拠
証人 第三者の証言

証拠が薄いと負ける ので、トラブル発生時から記録を残すクセが重要です。

相手が出廷しない場合

「無視される」のは結構ありますが:

💡

欠席判決で勝てる

相手が出廷せず・答弁書も出さない場合、原告(自分)の主張がそのまま認められて勝訴判決が出ます。これを「欠席判決」と言います。むしろ確実に勝つルートとも言えます。

勝った後の取り立て

判決が出ても 自動でお金が振り込まれるわけではない ので注意:

  1. 判決を確定させる(異議申立て期間14日経過)
  2. 相手に支払いを求める
  3. 払わない場合、強制執行(給与差押え・口座差押え・動産差押え)
  4. 差押え手続きは別途裁判所申立て必要

相手の銀行口座・勤務先が分からないと回収困難という弱点があります。

少額訴訟が向かないケース

向かないパターン:

  • 争点が複雑(事実関係に争いが多い):通常訴訟向き
  • 金額が60万円超:通常訴訟向き
  • 相手が無資力:勝訴しても回収不能
  • 相手の住所不明:裁判所からの送達ができない
  • 時効が完成:請求権が消滅していると勝てない

「相手にお金がない」場合は、訴訟しても紙切れ判決になります。

トラブル予防のために

少額訴訟を「使わずに済む」ためのコツ:

シーン やるべきこと
個人間の貸し借り 借用書を必ず作成(簡単な紙でOK)
賃貸契約 入居時の状態を写真で記録
仕事の発注 メール・LINEでやり取り(口頭NG)
フリーランスの契約 業務委託契約書
売買 領収書・契約書

「証拠を残す」がトラブル防止の8割です。

まとめ

  • 少額訴訟 = 60万円以下の金銭請求に特化した1日で終わる簡易な裁判手続き
  • 弁護士不要、印紙代1,000〜6,000円+切手代の 合計1〜1.5万円程度
  • 申立てから期日まで 1〜2ヶ月、当日半日で結審
  • 同一人物が 年10回まで 利用可能
  • 相手不出廷でも 欠席判決で勝訴可能
  • 勝訴しても支払いがなければ 別途強制執行手続き が必要

特定商取引法・消費生活センター 188・弁護士無料相談と並んで、一般人が使える法的トラブル解決手段です。

詳しくは 裁判所 少額訴訟手続 や法テラスが一次情報源です。

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