国選弁護人と私選弁護人の違いとは?費用・選び方

逮捕されたら弁護士はどうする?国が付ける国選弁護人と、自分で頼む私選弁護人。いつから付くのか、費用は誰が払うのか、自分で選べるのか、当番弁護士との違いまで整理します。

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この記事の目次 8
  1. 国選と私選、何が違う?
  2. 国選弁護人はいつから付く?
  3. 国選弁護人を頼める条件
  4. 国選弁護人は自分で選べる?
  5. 費用は誰が払う?
  6. 国選と私選、どっちがいい?
  7. よくある誤解
  8. まとめ

家族が逮捕された、自分が警察に呼ばれた。そんなとき最初に気になるのが「弁護士はどうするの?お金は?」です。

刑事事件の弁護人には、国が付けてくれる国選弁護人と、自分でお金を払って頼む私選弁護人の2種類があります。弁護人としてできることは同じですが、いつから付くか・選べるか・費用が違います。

国選弁護人=お金がないなどの理由で弁護士を頼めない人に、国が付ける弁護人。自分では選べない。勾留されてからでないと付かない。
私選弁護人=自分(や家族)で選んで、費用を払って頼む弁護人。逮捕直後から頼める。
裁判所も「国選も私選も、弁護人の役割に違いはない」としています。違うのは選び方とタイミングとお金です。

国選と私選、何が違う?

国選弁護人

国が付ける

  • 付くのは勾留されてから(起訴後も)
  • 自分では選べない
  • 原則、資産が50万円未満の人
  • 有罪なら費用の負担を求められることがある
私選弁護人

自分で頼む

  • 逮捕直後から頼める(逮捕前の相談も)
  • 自分で選べる
  • お金の条件はない
  • 費用は自分で払う(弁護士ごとに違う)

国選弁護人はいつから付く?

逮捕(最大72時間) 国選はまだ付かない。頼めるのは私選か、弁護士会の当番弁護士
勾留 被疑者国選を請求できる(2018年6月からすべての勾留事件が対象)
起訴 被告人国選。勾留されていなくても請求できる

国選弁護人が付くのは勾留の段階から。逮捕されてすぐの数日間は、国選では弁護士が付かない「空白」があります

刑事事件の流れと、国選弁護人が付くタイミング

逮捕からの時間の流れは逮捕と勾留の違いで詳しく書いています。

この「逮捕直後の空白」を埋めるのが、弁護士会が行っている 当番弁護士 です。逮捕された人やその家族が弁護士会に申し出ると、弁護士が警察署に来て面会し、助言してくれます。警察は逮捕したとき、弁護士を頼めることや弁護士会に申し出られることを伝えなければなりません。

国選弁護人を頼める条件

  1. お金の条件:現金や預金などの資産が50万円未満なら、国選を請求できる(政令で決まった基準額)
  2. 50万円以上ある場合:まず弁護士会に私選弁護人を頼む申し出をする。それでも引き受け手がいなければ、国選を請求できる
  3. 重い事件:重い罪(長期3年を超える拘禁刑に当たる罪など)の裁判は、弁護人がいないと開けない。弁護人がいなければ、裁判所が必ず国選を付ける

「お金がある人は国選を使えない」わけではありません。手順が一つ増えるだけです。

国選弁護人は自分で選べる?

選べません。法テラス(日本司法支援センター)が契約している弁護士の中から候補を指名し、裁判所が選任 します。

途中で「この弁護士は合わない」と思っても、国選弁護人を自由に替えることはできません。替えられるのは、私選弁護人を頼んだときや、弁護人がきちんと仕事をしないなど、法律で決まった理由があるときだけです(刑事訴訟法38条の3)。

費用は誰が払う?

国選弁護人 私選弁護人
頼むときの費用 かからない 着手金などがかかる
最終的な負担 有罪になると、原則として訴訟費用として負担を命じられる(払えないのが明らかなら免除) 契約どおり自分で払う
費用の決まり方 国が報酬を決める 弁護士ごとに違う

国選弁護人は「タダ」と思われがちですが、有罪判決で刑を言い渡されると、国選弁護人の報酬を含む訴訟費用を負担させるのが原則 です(刑事訴訟法181条)。貧しくて払えないことが明らかな場合は、負担させないことになっています。

なお、法テラスの「民事法律扶助」(弁護士費用の立て替え)は民事事件のための制度で、刑事事件の私選弁護人の費用には使えません。

国選と私選、どっちがいい?

  1. 逮捕直後に動きたい:国選はまだ付かないので、当番弁護士を呼ぶか、私選を頼む
  2. 費用が出せない:勾留されたら国選を請求する。弁護人の仕事の中身は私選と同じ
  3. 特定の弁護士に頼みたい:私選。刑事事件に強い弁護士を自分で選べる
  4. 途中で替えたい:私選を頼めば、国選から切り替えられる

よくある誤解

  • 「国選弁護人は手を抜く」→ ✕。裁判所も「国選も私選も弁護人の役割は同じ」としています。弁護人としての義務も同じです
  • 「国選弁護人は完全に無料」→ △。頼むときはかかりませんが、有罪になると費用の負担を命じられるのが原則です
  • 「逮捕されたらすぐ国選弁護人が来る」→ ✕。国選は勾留されてから。逮捕直後は当番弁護士か私選です
  • 「お金がある人は国選を使えない」→ ✕。資産が50万円以上でも、私選の引き受け手がいなければ国選を請求できます

まとめ

  • 国選=国が付ける弁護人。勾留されてから。自分では選べない
  • 私選=自分で選んで頼む弁護人。逮捕直後から頼める
  • 弁護人としての役割は同じ
  • 国選の目安は資産50万円未満。有罪なら費用の負担を命じられるのが原則
  • 逮捕直後は、弁護士会の当番弁護士を呼べる

刑事事件の流れは逮捕と勾留の違い・保釈とは、弁護士の仕事は弁護士・検察官・裁判官の違いもあわせてどうぞ。

国選弁護の決まりは 刑事訴訟法(e-Gov法令検索) の36条・37条の2・38条の3・181条・289条、法テラスの役割は 総合法律支援法、弁護人の役割は 裁判所「刑事事件Q&A」 で確かめられます(2026年10月23日確認)。

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