所得税と住民税の違いは?税率といつ払うか

給与明細に並ぶ2つの税金。国か自治体か、税率の決まり方、そして「住民税は去年の所得で決まる」後払いの仕組みまで。退職や転職で慌てないための基礎を整理します。

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この記事の目次 7
  1. 3つの違いを表で
  2. 「住民税は後払い」がいちばん大事
  3. 税率の決まり方が違う
  4. 会社員と自営業で納め方が違う
  5. 控除は両方に効くが、額が違う
  6. よくある誤解
  7. まとめ

給与明細を見ると「所得税」と「住民税」が別々に引かれています。どちらも所得にかかる税金なのに、なぜ2つあるのか。

違いは ①どこに納めるか ②税率の決め方 ③いつの所得にかかるか の3点。特に3つ目を知らないと、退職したときに大きな請求が来て慌てます。

所得税=国に納める税金。所得が多いほど税率が上がる(累進課税)。その年の所得にかかる。
住民税=都道府県・市区町村に納める税金。税率はほぼ一律10%。前年の所得をもとに翌年払う(後払い)。
一番ハマりやすいのが、この「住民税は1年遅れ」という点です。

3つの違いを表で

所得税 住民税
納める先 国(国税) 都道府県・市区町村(地方税)
税率 5〜45%の累進課税(所得が増えるほど上がる) ほぼ一律10%(+均等割)
対象の所得 その年の所得 前年の所得
納めるタイミング 会社員はその年に毎月源泉徴収+年末調整で精算。確定申告する人は翌年3月15日までに精算 **翌年6月〜**の1年間で納付
精算の仕方 年末調整や確定申告 自治体が計算して通知(申告不要なことが多い)

「住民税は後払い」がいちばん大事

ここだけは押さえてください。住民税は、去年の所得に対して今年払う仕組みです。

2025年(去年) 1年間の所得が確定する。所得税はこの年のうちに納め終わる
2026年6月〜 2025年の所得をもとにした住民税の請求が始まる。今の収入は関係ない
だから起きること 収入が減った年に去年の高い所得を基準にした住民税が来る

所得税はその年の所得をもとに計算(会社員はその年のうちに天引き・精算、確定申告する人は翌年3月に精算)、住民税は去年の分を今年。退職や独立の翌年につまずくのは、この1年のズレが原因です。辞める前に翌年分を残しておくのが定石になります

住民税だけ1年遅れてやってくる

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退職・独立の翌年に住民税でつまずく人が多い

収入が高かった年の翌年に退職・独立すると、収入が減ったのに、前年の高い所得を基準にした住民税の請求が来ます。しかも会社の天引き(特別徴収)から自分で払う普通徴収に切り替わり、年4回まとめて請求されることも。退職前に「翌年の住民税分」を残しておくのが定石です。

所得税は「その年の所得をもとに計算する」ので、収入が下がればその年の税額も下がります(会社員なら毎月の天引きが減る)。住民税だけが1年遅れてついてくる、と覚えてください。

税率の決まり方が違う

所得税

稼ぐほど税率が上がる

  • 5%〜45%の7段階(累進課税)
  • 高所得者ほど負担率が高い
  • 所得の再分配が目的のひとつ
  • 控除で大きく変わる
住民税

ほぼ全員が同じ率

  • 所得割は原則10%(道府県4%+市町村6%)
  • 加えて定額の「均等割」がかかる
  • 地域行政の財源になる
  • 一定所得以下は非課税になる場合も

住民税は「地域の会費」に近い性格で、所得の多さに関係なく定額で負担する均等割があるのが特徴です。ただし所得が一定以下の人などは均等割もかからない(非課税)ので、文字どおりの全員ではありません。

会社員と自営業で納め方が違う

  1. 会社員(特別徴収):住民税は6月〜翌年5月の12回に分けて給与から天引き。手続きは会社がやってくれる
  2. 自営業・退職者(普通徴収):自治体から納付書が届き、年4回(6月・8月・10月・翌1月)などに分けて自分で納める
  3. 所得税は、会社員なら毎月天引き+年末調整、自営業なら確定申告で精算

控除は両方に効くが、額が違う

控除(税金の計算から差し引ける金額)は所得税と住民税の両方で使えますが、控除額が微妙に違います。たとえば基礎控除も、所得税と住民税では金額が異なります。

そのため「ふるさと納税(確定申告した場合)や医療費控除をしたら、所得税は還付、住民税は翌年の額が減る」という形で、効き方のタイミングもズレます。ふるさと納税でワンストップ特例を使った場合は、所得税の分も含めて翌年の住民税からまとめて引かれます。還付が思ったより少なく見えるのは、住民税側の効果が翌年に回っているからです。

よくある誤解

  • 「住民税も国に払っている」→ ✕。住んでいる自治体(都道府県・市区町村)の税金
  • 「1月1日時点で住んでいない自治体には払わない」→ △。住民税はその年の1月1日時点の住所地の自治体に納めます。年の途中で引っ越しても、その年度分は前の自治体
  • 「収入がゼロなら住民税もゼロ」→ △。前年に所得があれば、今年収入がなくても請求は来ます
  • 「ふるさと納税は所得税だけ安くなる」→ ✕。確定申告なら所得税の還付+翌年の住民税の減額の2段構え。ワンストップ特例なら住民税にまとめて反映

まとめ

  • 所得税は国、住民税は自治体に納める
  • 税率は、所得税が5〜45%の累進、住民税がほぼ一律10%+均等割
  • 所得税はその年の所得で計算(確定申告なら翌年3月に精算)、住民税は前年の所得で翌年払う(後払い)
  • 退職・独立の翌年は住民税に注意。前年基準の請求が来る
  • 控除は両方に効くが、額とタイミングがズレる

税金の全体像は累進課税・控除・年末調整と確定申告の違いとあわせて読むと一気につながります。自分の税額の正確な計算は、お住まいの自治体か国税庁の情報を確認してください。所得税の税率は 国税庁 No.2260 所得税の税率 で確かめられます(2026年10月14日確認)。

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